私が新人で職場に入ったとき、「最近の若い人はさ…」と仕事に対する態度や、仕事の仕方について先輩方に意見を言われました。
あれから、15年。
今でも職場では、「最近の若い人はさ…」と言われているのを耳にします。
3000年前に書かれたエジプトの壁画にも「最近の若者は…」と書かれているらしいです。

「若い人たち」「新人たち」は、これからの私たちの職場を担って行ってくれる貴重な人材(人的資源)です。
消耗品ではありません。
全く新しい仕事を始めて、いきなり仕事ができる人はいませんし、右も左もわからなくて右往左往してしまうのが当たり前ではないか、と思います。
人を育てていくには、「先輩」「後輩」相互が歩み寄る必要があります。
そんな「先輩」の歩み寄り方について、自分の経験と考えについて書きたいと思います。

失敗も経験と考える
人は失敗を通して多くのことを学びます。失敗は、成功や成長の糧となることを理解し、見守る姿勢が大切です。
自分が看護師になった当初、やはり右も左もわからず色々な失敗をしました。

滅菌物を落として不潔にしてしまったり、アンプルを落として割ってしまったりはまだマシな方。
酸素化が悪いな、と思って深夜に医師に報告し診察依頼したら、酸素の接続チューブが外れていたりしたこともありました…。
まだまだ思い出せば、多くの失敗を経験し成長してきました。
例えば、平成11年に横浜市立大学病院で起こった患者取り違え事件を発端とする、絶対あってはならない間違いもありますが、それは誰がやっても間違えないシステムを導入するべきです。
そのような失敗以外の失敗は、経験することで学ぶことが多くあります。
それをできるだけ本人に経験してもらい、その失敗から学んでもらうことが100回口で指導するより身に染みてわかります。
自分が痛い思いをすると、二度と同じ失敗をしなくなります。
失敗しないように口を酸っぱくして言うより、やってみて致命的な失敗にならないよう、遠くで見守っているくらいのスタンスが成長のためには必要ではないかと思います。
任せてみる
失敗することを恐れていると、後輩に仕事を任せることができません。
そして、失敗してはいけないので「あーそうやってはダメ」「〇〇に気をつけて」「そんなやり方しないで」となってしまいます。
ある程度、仕事ができるようになってきたら、自分で考えたり、判断したりできるようになるためにも「任せてみる」ことが必要です。
相手も大人です。
後輩が自分で考えたり、判断する機会を奪ってしまっていては成長はありません。
心配ですが、ある程度本人の責任でときには任せることも成長していくためには必要でしょう。

必ずフォローする
任せる=放置する、と言うことではありません。
仕事は任せてみるけれど、決して任せっきりにするのではなく、任せた相手の能力に応じてフォローが必要です。
仕事を任せっきりで放置するのは、任せるのではなく、丸投げしているだけです。
これは相手の成長にはつながりません。
自分の仕事を、自己都合で放り出して負担を軽くしている以外の何者でもありません。

細かなフォローや確認があるからこそ、仕事を任せることができ、そして任された方も自分で考えて実施していけるのだと思うのです。
時には厳しく指導することも
「パワハラ」と混同されることが多いですが、業務上必要な指導はパワハラには当たりません。
大人なので「感情に任せて怒る」ということがあってはいけません。
ただ、皆さんは自分が仕事で大事にしていること、絶対してはいけないことなどもあると思います。
それを意識できなかったり、軽視している場合には、先輩として厳しく指導しても良いでしょう。
それは後輩の成長を促す、貴重な「糧(かて)」となるはずです。
「仕事をする」というのは、必ず相手があって、そして報酬が発生しています。
それだけにいい加減であったり、無責任であったりしてはいけません。
社会人として、職業人として、自分が報酬に見合った働きをいずれはしていかなければなりません。
そのための「指導」は必ず必要になってくると思います。

まとめ
若い世代の人たちは、日本の未来であるとともに、皆さんの組織にとっての未来や貴重な人材であると言っても過言ではありません。
それを「無駄」にするのは、日本にとっても組織にとっても「大きな損失」であり、その手腕は日々現場で働いている皆さんや我々の日々の接し方にかかっているのかもしれません。
もちろん職場に入ってきた人の中には、とても社会人として適応できそうにない人もいるでしょう。
「後輩」からの歩み寄りが全くない、そんな場合は、ここに書いていることは当てはまりません。
また別の対応が必要になると思います。
そうではない人たちに対しては、できるだけ未来を見据えて「育てる」という観点で接していくのが長いようで一番の「最短距離」なのではないかと考えています。
「先輩」「後輩」相互に歩み寄って成長していくことが大事!
そう思います。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。本日も、頑張っていきましょう!